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古のONE PIECEオタクのための映画「ONE PIECE STAMPEDE」感想【fusetter お焚き上げ】
fusetter にざざっと放り込んでた文章を自分の畑(ブログ)に植えなおした記事です。もちろんネタバレたくさんです。
原作80巻(ドレスローザ編)までの履修でも十分楽しかったよ。いい意味でも悪い意味でも週刊少年ジャンプ。そこがいいんだ。ONE PIECEは、ルフィの物語はそれでいいんだ。
入場者特典欲しさに気楽に臨んだのに、映画が終わって電気がついたらハチャメチャに疲れていた。ものすごく体力を吸われる映画だった。でも観てよかった。これが観たかった。そう思った。
基本的に思いついたまま書きますので、脈絡はないです。
この「STAMPEDE」、いい意味でも悪い意味でも「ご都合主義じゃん」と言われると多分その通りだと思う。
「俺たちは刀なんだから強いのでいいんだよ(刀剣乱舞/同田貫正国)」と同じように、「これは週刊少年ジャンプ連載作品なんだから主人公がパンチで勝つために話が運ぶのでいいんだよ」というと感じ。
クロコダイルがあそこにいた理由も、ロブルッチ他がいつの間にか潜り込んでいた理由も正直よくわかんないし(お宝のことを聞きつけて来たんだろうとか、そういう解釈でいいと思うが)、「最悪の世代」がドンパチやってるなかでウソップ大丈夫なのかよwとか、おい赤犬!バスターコールはゴールデン電電虫じゃなくてもいいのかよ!(そういうシステムなんだっけ。細かいところまで覚えてない)とか、まぁその他いろいろ、突っ込みどころはもちろんある。加えて、藤虎の”置き土産”はミホークの出番のためだろうなとも思うし(つか、ミホークもお祭りに来るのねwとか)、ここまでオールスターやるんだったら青雉も出てきてくれたらよかったのになぁとか。僕は青雉好きですよ。
わざわざONE PIECEタワーからアンを引っ張りだしてきたのも、何をどう考えたって最後のオチのためだろう。海軍から逃げるルフィ(と、最悪の世代たち)の道をサボとエースが作るため、「弟の自慢の兄貴たち」が、「兄貴たちの自慢の弟」の背中を押して再び世界に送り出すため。
インペルダウン編からマリンフォード編までを超えてきたオタクが涙なしでは見れないあのシーンを作るためだけに、わざっわざ次元の違うところからアンを引っぱり出してきたのだから、こんなものをご都合主義と呼ばずになんと呼ぶって感じだが、でもそれでいいんだ。
ちなみに、能力で道を創り出すあのシーンを観て、やっぱり青雉もいたらよかったのになーなどと再び思ったりもした。
(なお、蛇足を承知で言うが、アンのCVを早見沙織さんから指原莉乃さんに変えたのは絶対に絶対に許さん)
最近、原作を追うことに疲れてしまっていてドレスローザの後編くらいからの展開がわかっていないのだけど、その程度のオタクでも困らなかったので、知識としては原作~80巻まで抑えてるとより楽しめると思う。おそらく。
今の王下七武海が誰なのかを7人全部言えなくても大丈夫だけど、最悪の世代のことくらいは知っておいたほうがいいかも?とかそんな感じ。最悪の世代の能力は大体が悪魔の実によるもの、で片付けていいと思うし、ルフィの懸賞金いつの間に15億にまで跳ね上がったんだよとか、いつの間にこんなに強くなったんだよとか、いつの間にギア入れても縮まなくなったんだよとかはちょっと思ったけど、別に知らなくても困らなかった(この辺は「ルフィってこんなに強くなったんだ!」で片付く問題)。
あとメインキャラっぽく顔貼ってるやついるけど(ワポルとか)、そこは忘れてても困らないのでシカトしていい。そこいらじゅうにこれまでの登場キャラクターがちりばめられているものの、一瞬だったりするから気づかなくても死なない。パンダマンは出すぎ。笑。
これを読んでいる中にはご存知の方もいるかもしれないがわたしはニチアサ、ひいてはスーパー戦隊大好きオタクなので、「バレットvs最悪の世代」などという構図も、「ルフィ、サボ、ロー、スモーカー、ハンコックvs巨大化したバレット」などという構図も、何から何まで「好き」以外のワードが出てこないのである。どちらも最高だった。特に後者、最高にバランスが取れたスーパー戦隊にもほどがある。
- 人の話を聞かないけど周りを巻き込んでいくレッド(ルフィ)
- チームのブレーンで「話を聞けよ!」となるブルー(ロー)
- 「まぁよくあることだろw」と傍らで笑ってるイエロー(サボ)
- 「自分勝手に走りやがって」とキレるブラック(スモーカー)
- レッドのことを崇拝しているピンク(ハンコック)
……なんて、こう並べてみるとスーパー戦隊いろはのい、キホンのキ、みたいなもので呈してよくある話である(若干の一昔前感はあるけどね)。
一応触れておくけれどバギーはマスコットという位置づけでいいだろう。シンケンジャーでいうところのダイゴヨウ、タイムレンジャーでいうところのタックである。知らんけど。
わたしはね、ルフィの親友はウソップだと思うんだ。ゾロとサンジは親友じゃなくて右腕と左腕。
ついつい忘れそうになるけど、ルフィがあそこまでブチきれてバレットと闘ってたのはバレットがウソップに手を出したことから始まっていて、お宝なんてものはきっとおまけでしかなかったよなと思う。
船長の行く手を阻むものを止めるのはゾロとサンジの役目だけど、船長の背中を守るのはウソップの役目なんだなって改めて思ったね。ウソップは自分の弱さに泣くけれど、彼は絶対に弱くなんかなくて、ルフィに匹敵する強さをも持ち合わせていると本気で思う。親友っていいなぁと思ったよ。僕たちはW7を乗り越えてるから、余計にそう思うんだろうね。
ノックアップストリームにかかる「ウィーアー!」、そして一直線に駆け上るサニー号、これが泣かずにいられようか。ノックアップストリームの原理ってなんだったっけとか、あのシャボン玉は誰の仕業だよとか、そんなことはどうでもいいのだ。まさに「うるせえ!行こう!!!」である。
あの時はメリー号がニワトリ装備で、今回はサニー号がペンギン装備で。空を飛ばない鳥モデルにするところがいいのである。これはちゃんとメリーの魂を引き継いだ、「彼らの冒険」なんだと思う。
「STAMPEDE」を観た後、あまりにも「ウィーアー!」が天才なので空島編のノックアップストリーム回を見返したら、メリーが空島へ向かう時にも「ウィーアー!」がかかっていた。さすがに当時の記憶はあいまいなので映画を観ているときはこのシーンの完璧なるオマージュだとは思いもしないままに泣いていたのだが(古のオタクだから、「ウィーアー!」のころからONE PIECEを見ているオタクだから、冒険が始まるところで「ウィーアー!」がかかるだけで泣けるんだよ)、そういうところだ、そういうところだぞ……(SUKI)。
ありがとうアマプラビデオおよびNetflix。ご利用中の動画配信サービスでONE PIECEがラインナップに入ってる方は、空島編じゃなくてもいいから映画を観たあとにふと頭によぎったエピソードを見てみるといいよ。DNAに刻まれた様々なものがあふれ出して泣けるから。
正直に言うと最初から最後まであまりに肩に、腕に、手に力が入りすぎていて観るのに必死だったのでmemoriesは聞き逃してしまった。スタッフロールをみて「えええええええ」と声が出そうになるのを必死にこらえた。古(いにしえ)のオタクとして失格だ。
聞き逃したままではいられないのでもう1回くらい観にいきたいと思っているが、それにしても田中・T・公平(Tは天才のT)先生はずるい。本当に天才だと思う。
ONE PIECEのアニメには「きただにひろし×田中公平」タッグの曲が2曲ほど存在するが、どう頑張っても、どうあがいても、「ウィーアー!」を超える曲はONE PIECE史上生まれないと思っている。
ダニー×田中・T・公平が頑張っても、「ウィーゴー!」ですら「ウィーアー!」に勝てないのだから、ほかのアーティストがどんだけ頑張ったって「ウィーアー!」を超える曲が生まれるわけないのだ。
ありったけの夢をかき集め、宝物を探しに行く。ルフィがピンチになったら、必殺技と一緒に「ウィーアー!」が流れればいいんだ。それで絶対に勝てる。音楽のちからはすごい。
ヒーローは、冒険は、主人公の拳はそれでいいんだと思う。
どうでもいいけどバレットがいろいろなものを吸収にしてでかい親玉になった姿があまりにも『サマーウォーズ』に出てくる「ラブマシーン(※キングカズマ吸収後)」で笑いそうになったのは秘密だ。入場特典の壱萬八拾九巻読んだら耳じゃなくて鹿のツノらしいけどウサギの耳にしか見えなくてすまん。
お焚き上げ以上!おしまい!